>  TOPページ

【指南836 人の心を動かすストーリーの「黄金律」】

2019年1月30日

「人類共通の感動のツボ」を押すこと

「もしあなたがリンゴを売るとします。あなたなら、どんなストーリーでリンゴを売りますか?」と、 川上師範は問いかけます。そして、「3つのストーリー例を紹介しましょう」と続けます。

A 心を込めて栽培したリンゴです。
B まわりの葉を取らずに栽培し、果実に十分な栄養をいきわたらせたリンゴです。
そうすると見た目は少し悪くなりますが、断然甘くおいしくなるのです。
C 「奇跡のりんご」でおなじみの木村秋則さんがつくったリンゴです。木村さんは絶対に不可能と言われていたリンゴの無農薬無肥料栽培を、8年の歳月をかけ、長年の極貧生活と周囲からの孤立を乗り越えて、試行錯誤の末にようやく実現しました。

「ABCのどのリンゴが一番売れるでしょうか?多くの生活者はCのリンゴを選ぶのではないでしょうか。Cのリンゴは品質について何も語っていません。なのに、一番食べてみたいなと思わせるのはC。それはなぜか。Cには、心を動かされるストーリーがあるからです。そして、Cのエピソードが、『ストーリーの黄金律』にかなっているから、人の心にグサッと突き刺さるのです」と、川上さんは説きます。「ストーリーの黄金律とは、ハリウッド映画をはじめとするエンターテイメントの世界で使われている、感動を呼ぶのに必要な3つの要素のこと。神話時代から伝わってきている物語に共通するパターンです」と言います。

<ストーリーの黄金律>
1. 何かが欠落している、または欠落させられた主人公が、
2. 何としてもやり遂げようとする、遠く険しい目標やゴールに向かって
3. 数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく

「このパターンに触れると、人は感情移入しやすく、感動しやすく、行動に駆り立てられやすくなります。いわば、『人類共通の感動のツボ』です。『またこのパターンか』とわかっていても、押されるとついつい心が動いてしまう、そんな存在です」

例えば、2005年までNHKで放送されていた「プロジェクトX」。普段テレビを見ないお父さん世代にも大きな話題を呼びました。「窓際族が世界規格を作ったVHS、執念の逆転劇」(日本ビクター)「ガンを探し出せ 完全国産・胃カメラ開発」(オリンパス)「日米逆転!コンビニを作った素人たち」(セブン-イレブン)など、タイトルだけ並べてみても、ビジネスパーソンの心をつかむ、この黄金律にかなった内容であることが見てとれます。

「商談で、話しやすいストーリーの1つに、商品開発ストーリーがあります。この黄金律にそって、あなたが売りたい商品の開発ストーリーを語ることができたなら、得意先はきっと心を動かされているはずです」と川上さんは言います。

次回は最終回。「こんなストーリーも人を動かす」意外に簡単なストーリーのつくり方を指南していただきます。ぜひご覧ください!

【指南836 人の心を動かすストーリーの「黄金律」】