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【指南775 相手にいかに近づくか】

2018年6月22日

満員電車で「もうすぐ空く席」が分かるワケ

「この担当者は、本当のところ、どんな提案をしてほしいのだろう…」 うまく商談を進められているようでも、今ひとつ先方が乗り気ではなく、なぜぐっと来てくれないのかが分からない…と感じたことはないでしょうか。相手の心の中までは、なかなか読めないものです。

「相手の情報をできるだけたくさん集めて深く知ることがベースになりますが、相手の心を読む力は、確実に伸ばしていくことができます」と、今回の師範 中国料理店 Wakiyaの統括支配人 萩原 清澄さんは言います。どうやって相手の心を読んでいくのでしょうか。

「そのヒントは、相手との『同化』にあります。例えば、秋田県出身のお客様がいれば、秋田について調べる。機会があれば休日に秋田まで足を延ばす。そして、次にご来店いただいたときにもし出身地の話題になれば、秋田を旅してきたんですよ』などとさりげなく話をします。相手の脳内を旅するような気持ちになることができれば、自ずと『相手の心に届く言葉』や『相手が心を開ける環境』は見えてきます」

営業の場面でも、例えば、商談相手の出身地を事前に調べて、そこへ足を運ばないまでも、その土地の話題をネットで検索しておくことはすぐにでもできること。商談の途中、ふとしたときに、相手へ出身地の話題を振ってみることが、大いに心を開かせるきっかけになりうるのです。

さらに「相手との『同化』は、身近なところでトレーニングすることができます」と萩原さんは続けます。「電車に乗ったときやレストランに入ったときなど、私はいつも周囲を観察し、目に入った人がどんな人なのか想像をめぐらせるのが習慣になっています。この『観察と想像』を意識的にトレーニングとして行うことで、人の心が『わかる』ようになっていきます」

事実、萩原師範は、このトレーニングを続けることで、電車に乗ったときに「あの人はもうすぐ降りるな」ということがわかるといいます。「さすがにそれはウソでしょう」と疑うスタッフと同乗した満員電車でも、的中率は100%。「長年にわたり自由が丘駅で降りる人たちを見ているうちに、同じ電車に乗っている人の雰囲気を見れば、自由が丘に住んでいるということが『わかる』ようになってくるという感じです。ずっと続けてきた『観察と想像』の賜物です」

相手の心を読む力は、「観察と想像」のトレーニングで伸ばすことができる――顧客の心の奥底を読みとり、より深い信頼関係を結びたい営業パーソンは、実践してみる価値がありそうです。

次回は、萩原師範がサービスマンとして数えきれないほど目にしてきた接待の現場から「トップ0.1%が実践している接待の作法」をお届けします。ぜひご覧ください!

【指南775 相手にいかに近づくか】