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【指南752 日本は「忖度」の国だからと言って】

2018年4月18日

なぜあなたの言葉は伝わらないのか

「早めに来てって言ったのに…」 例えば、新人と同行営業の際、「少し早めに現地へ来て」と伝えたとします。自分は30分前に客先のビルのロビーに到着、しかし待てど暮らせど新人は来ない。結局、新人が現れたのは13:50で、打ち合わせもそこそこに客先へ入る。あとで新人に尋ねると、「少し早めということでしたから10分前に行ったんですけど」との答え…。言葉の行き違いは、日常的に起こるものです。

「あなたの『当たり前』と相手の『当たり前』はぴったり同じではないのです。相手が、あなたとは違う背景、考え、価値観を持った、まったく違う人であることを前提にコミュニケーションをしないと、自分が意図していることは伝わりません」と西澤さんは、言葉が伝わらなかった原因を指摘します。

「さらに…」と西澤さんは続けます。「日本は『忖度(そんたく)』の国。『忖度』とは元々は、相手のことを『察する』『気遣う』日本人特有の美徳です。はっきりと言語化しなくても自分と相手との間では通じる、『察する力』を日本人は持っているのですが、クレーム対応の場面で、この『察する力』に期待するのは禁物です。相手も察してくれるだろう・・・と、不都合な事実を部分的にしか伝えない、あるいはまったく伝えないでいると、相手が『やばいこと』を別なことに解釈してしまう可能性があります。その場合、『やばいこと』は一向に解決されないどころか、悪化してしまいます」

また、専門的な数値を並べて、論理的に細かくきちんと伝えれば、相手はすんなりと不都合な事実を受け入れてくれるのかといえば、事はそう単純ではありません。
「人間の脳はものごとを『感情やイメージで判断』し、それからゆっくりと情報を理解するようになっています。論理的に話せば相手はわかってくれると考えたくなるのももっともですが、残念ながら私たちは感情に強く左右される生き物であり、『やばいこと』もまず、イメージと感情に大きく支配されてしまうのです。人間は、『感情やイメージで判断する』—すなわち、短時間で判断をしてしまう『くせ』があるのです」と西澤さんは言います。

そもそも、伝えることのゴールは、伝えたことによって、状況になんらかの変化を生むこと。相手の理解と納得を得て、それにより行動や選択に変化を起こすことが目的です。西澤さんは「相手に『やばいこと』を納得してもらいたいならば、相手が腑に落ちるような情報になるようにデザイン・加工して提供するしかないのです」と指摘します。

では、「やばいこと=不都合な事実」は、どのように伝えればいいのでしょうか?次回から、「やばいこと」の伝え方の基本とコツを指南していきます。ぜひ参考にしてみてください。

【指南752 日本は「忖度」の国だからと言って】