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【指南735 感情の舵を自分の手に取り戻す】

2018年2月2日

自分の感情を客観視する

5回にわたり、ビジネスに効くメンタルスキルを田中ウルヴェ京さんにうかがってきました。最終回となる今回は、それらを実践の場で生かすために不可欠な、「感情のコントロールスキル」を教えていただきます。
「どんなに豊富なメンタルスキルの知識があっても、本番で使えなければ意味がありません。お客さまにきついことを言われて思わずムっとしたり、ライバルに勝ちたくて平常心を失ったり……。誰にでも身に覚えのあることではないでしょうか。この感情をコントロール(抑制ではなく調整です)できない限り、ストレス対処やリラックスのための知識も成功イメージも、役に立ちません」

やはり、できるだけ感情を押し殺すことが大切なのでしょうか?
「いいえ、それは違います。全く逆といってもいいでしょう。自分のネガティブな感情を無理に抑え込んだり、気づかないようにしていると、結果的には蓄積してしまい、いつか爆発してしまうことになりかねません。あるいは、とっさの感情にも対応できないでしょう。しっかりと、日々の自分のイラつきや、焦りを感じることで、その都度、調整する習慣をつけることが大事です。重要な場面での、とっさのネガティブな感情に翻弄されないためにも、日頃から自分の感情の特徴を知っておくことが、感情コントロールスキルの出発点です」
感情は次の4つに大きく分類されます。
① 楽しい・うれしい
② 怒り・恐怖
③ 落ち込む・悲しい
④ リラックス・平穏

大切なのは今の感情が4つのどこに当てはまるかを自分で気づくことだと、田中さんは指摘します。
「たとえば怒りには悪いイメージがあるかもしれませんが、交感神経が上がっている表れなので、意識して出すべきところで出せば、やる気や闘争心につながります。重要なのは自分の感情の起伏を意識して、今どういう感情を抱いているのか、その理由は何かを突き詰めること。そうすれば、とるべき対処行動も明らかになります」
怒りや恐怖、落ち込みといった一見マイナスな感情が自分の中にあることを認めるには勇気がいりますが、そんなときに役立つのが第1回目で紹介した「感情ノート」。毎日、自分の感情とその原因に向き合ううちに、解決すべき課題が見えてくるそうです。
「ライバルのAさんにいつもイライラするのは、もしかしたら“羨ましい”と心の奥で感じているせいかもしれません。イライラをAさんのせいにしている限り問題は解決しませんが、自分の弱さや足りないところを認めて、それを克服する具体的な行動をとれば、それはもう課題解決に向けて前進していることになります。ほかの誰かに振り回されるのではなく、自分自身の手に感情の舵を取り戻してください」
感情をコントロールすることは、すなわち人生をコントロールすること。メンタルスキルは、その大きな味方になるはずです。

【指南735 感情の舵を自分の手に取り戻す】