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【指南734 心的エネルギーを自在にコントロールする】

2018年1月31日

高ければよいということでもない 心的エネルギーを最適な状態にする

メンタルスキルを身につける最終的な目的は、「自分の能力を最大限に発揮できる『理想のパフォーマンス状態』を知り、それを維持することにある」と田中さんは説きます。言い換えれば、「うまくいった状態」を知り、それをいつでもどこでも再現できるようにすること。そのカギを握るのが「心的エネルギー」を最適なゾーンにキープすることです。

「たとえば消極的でやる気がでないなど、心的エネルギーが低すぎる人なら、セルフトークで自分を奮い立たせたり、他人を意識せずに自分がいまできることだけを考えることにより、『サイキアップ』することができます」
サイキアップ? 聞きなれない言葉ですね。
「アスリートが自分のほっぺたを叩いて闘争心を掻き立てているのを見たことはありませんか。あれも一種のサイキアップ、覚醒水準を上げる行動です。逆に過度の緊張や、ライバルなどを意識しすぎてやる気が空回りしそうなときは心的エネルギーが高すぎる状態なので、リラクゼーションのテクニックを使ったり、実力を出すことだけに集中して、エネルギーを落とさなければなりません」
具体的には、どんなことをすればいいのでしょうか?
「大きく息を吸ってから、細く長く息を吐くと心拍数が下がり、エネルギーも落ちていきます。呼吸を意識することなら、いつでも、どこでもできるのでおすすめです。心的エネルギーを上げたいときは、その逆。大きく息を吸ってから、一気に息を短く吐くことを繰り返してみましょう」

注意しなければならないのは、同じ人でも状況や立場に応じて、理想とされるパフォーマンス状態が異なる点です。
「会社を代表してお客さまに提案する場合と、上司のサポート役に回る場合では、求められる役割は違いますよね。また、後輩の相談に乗るのと、尊敬する先輩にアドバイスを求めるのとでも、期待されるパフォーマンスは異なる。状況ごとに何が求められているのかを理解しないと、自分では理想のパフォーマンスだと信じていても、期待を裏切ることになりかねません」
ある場面で成功したからといって、その通りにいつでも繰り返すのはNG。役割や場面に応じて使い分けなければならないわけですね。
「まずは、うまくいった経験と失敗した経験を振り返り、なぜうまくいったのか、どんな行動が失敗につながったかを分析してみてください。理想のパフォーマンスがどんな状態かが、少しずつわかってくるはずです」
失敗も成功も経験値を上げることにつながると思えば、毎日に前向きになれそうです。

次回は最終回「感情の舵を自分の手に取り戻す」です。ぜひご覧ください!

【指南734 心的エネルギーを自在にコントロールする】

(写真)ニュージーランド代表選手対象にメンタルトレーニングを実施。