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【指南678 セールス・プロセス クロージング5】

2017年8月11日

決断を促す

「いま決心したら後戻りはできない。このままの状況でいたい」
「大事なのはわかるけれど、まだ始めなくてもいいんじゃないか」

こうした感情のほとんどは、人間の本来的な弱さから生じる条件反射のようなものだと言われています。そのため成田さんは「その決断が本当にお客さまのためになると自信があるなら、先延ばしに付き合ってはいけません。条件反射をがっちり受け止めて、ほんの少し背中を押してさしあげる」ことが大切だと語ります。そのためには、様々なコミュニケーション術がありますが、その中のいくつかをご紹介しましょう。

<小さなYesを積み上げる>
大きな決断をドン!としていただくのではなく、「~まではOKですよね」「~という点はご納得いただけたということでよろしいでしょうか?」というように、小刻みに承諾を得ながら前進していきます。

 <大事なことは相手に言わせる>       
人は自分が言ったことに縛られます。そして、営業パーソンに言われたからではなく、自分で決めたという思いが、結果として満足度の高い買い物につながります。たとえば、フィットネスクラブ入会の営業シーンで、次のような会話例が成立します。

お客さま: 最近、健康診断の数値が悪くて、コレステロール値も上がってしまってね・・・。

営業:コレステロール値が高いのを気にされているんですね。(×営業:コレステロール値が高いということは運動しないといけませんね)

お客さま:そうなんだ。医者からも運動を勧められているし、自分でも何とかしなきゃとは思っているんだ。

営業:それでは、いつから始められるんですか?(× 営業:それでは、早く始めたほうがよいですよね!)

お客さま:もちろんできるだけ早くだよ。だから、勧めてもらったトレーニングコースに来月から通うことにするよ。

 <あえてデメリットを開示する>
商品やサービスの良いところばかりを並び立てると、「結局は売りたいだけなんじゃないの?」「本当なの?」と思われてしまうことがあります。ですからメリットとデメリットの両方をお知らせします。これにより、お客さまには「公正で誠実」という印象を持っていただけるかもしれません。ただし、デメリットを単にデメリットとしてストレートに伝えるのではなく、状況や視点によっては違ってくるという説明も加えることですね。

 <沈黙のクロージング>
本当に価値ある提案をしたら、営業パーソンが何かを言うのではなく、相手の言葉をじっと待つという方法もあります。お客さまのほうから口を開くのをじっくり待ってみましょう。

 最後に成田さんは次のように締めくくりました。

「営業とは、自分を通じて、商品やサービスで相手の欲求を満たす行為です。販売技術が高いだけでは人は買わないんです。人としての魅力が大切です。より重要なのは、この人から買いたいと思ってもらえるかどうか。営業場面では、経験が浅い新人が、ベテランを抜いてしまうことがよくあります。それは、新人の情熱や信念がベテランを凌駕するからです。一方で、キャリアを積んでいるのに売れなくなってしまう人もいます。キャリアを積めば営業技術は上がるはずですが、信念がぶれたり、情熱が冷めてしまったりするとお客様をひきつけきれなくなってしまうのです。

営業力を身につけるためには、人間力—-人格、情熱、信念—-を鍛えることが何より大事です。人は、そういったものにひきつけられるからです。営業とは決してテクニックだけではありません。自分自身を鍛えていかないと受け入れられないなと、やがて気付くものです。つまりセールスは自分磨きなのです。磨き続けていく中で魅力を備える。結果としていい人生を歩めるのではないかと信じています」

 次回は、経営コンサルタント・中島孝志さんの登場。
「仕事が嫌になったら読む本」「仕事ができる人の『しないこと』リスト」「『できる人』の段取り力」などの著書がある中島さんに、改めてモチベーションを上げる方法を学びます。

【指南678 セールス・プロセス クロージング5】