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【指南659 孫子の兵法に学ぶ3】

2017年6月26日

勝てる戦いをする、という極意

先週今週は、孫子兵法家・長尾一洋さんに、「孫子の兵法に学ぶ『勝つ営業』」について指南いただいています。

さて、前回は「派手さはなくても、着実に勝ちを収めよ」、そして着実に勝つために、「勝てる相手と戦え」と学びました。今回は、着実に勝つための他の方法、「結果をほぼ確実なものにして臨む」、すなわち「勝てる戦い」をする方法を学びます。

「『勝てる戦い』とは、相手の情報を事前にしっかりつかんで、先回りして手を打つことで可能になります」と長尾さん。そうすれば無理な営業をせず、着実に勝ちを収められるのです。

明主賢将(めいしゅけんしょう)の動きて人に勝ち、成功の衆に出づる所以の者は、先知なり
 ─聡明な君主や優れた将軍が軍事行動を起こして敵に勝ち、人並み以上の成功を収められる理由は、事前に敵情を察知するところにある

ビジネスにおいても、情報収集や事前準備は非常に重要です。営業パーソンが、既存のお客さまや見込み客のところに足を運び、もしくは様々な方法を駆使して事前に情報を得る。長尾さんは言います。「営業は、ただモノを売り込むだけでなく、顧客の考えを知るために情報を集めることが大事です。それでこそ、逆に顧客に情報を提供して相手の行動に影響を与えることができますよね」

そして、結果でなく、事前にできることをコントロールする。すなわち、情報に基づき、先んじて、どのタイミングで、誰に会い、どんな商談をするのかを、事前に計画を決めておくことが大事だと、長尾さんは指摘します。「商談の『結果』を管理する『結果管理』を行っている営業組織が多いのではないでしょうか。しかし、過去をいくら振り返っても未来は変えられない。だから『先考管理』こそ必要なのです」

「結果管理」ではなく、先に考える「先考管理」。行動する前に、行動計画やそのベースとなる考えを「見える化」し、必要があれば、計画を修正することで行動を変え、それによって結果をコントロールするというものです。

勝兵は先ず勝ちて而(しか)る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而(しか)る後に勝ちを求む
─勝利をおさめる軍はます勝利を確定して、それを実現しようと戦闘に入るが、敗北する軍は先に戦闘を開始してから、その後でどうしたら勝てるかを考えている。

「顧客のところに行ってから、何を売ろうか、どう提案しようかなどと考える成り行き営業や御用聞き営業では、厳しい時代を勝ち抜けません。勝負を戦う前に決めるのです」と語る長尾さん。

次回は、勝利をより確実にする方法を学びましょう。「勝ちをイメージして勝負に臨む」です。ぜひご覧ください!

【指南659 孫子の兵法に学ぶ3】

(書影の掲載に当たっては著者・出版社の許諾を得ております)