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【指南638 論語に学ぶ5】

2017年4月28日

良い「欲」と悪い「欲」

最終回となる今回は、組織の一員であり、お客さまのパートナーであり、そして家族や友人にとって大切な人でもある、すべての営業パーソンの心が元気になる論語の一節を紹介していただきます。

<すべての営業パーソンに贈る論語のフレーズ>
「棖(とう)や欲なり。焉(いずく)んぞ剛なることを得ん」
― 棖には欲がある。どうして堅強といえよう

棖とは孔子の弟子の申棖(しんとう)のこと。「私は今までに本当に強い人間というものに出会ったことがない」と言う孔子に、ある人が申棖の名前を挙げたところ、上のように答えたとされます。欲のあるうちは本当に強い者とはいえないという教えです。でも、厳しい仕事の世界で成功するには、欲も必要なはず。こうした疑問に小宮さんは答えます。

「車にたとえるならば欲はエンジン。なければ走れないし、もちろん大成することもできません。ですから、欲も必要だというのはそのとおりです」
ただし、欲には大きく2つあると指摘します。
「孔子がここで言ったのは私利私欲ですが、もう一段上に社会のためや誰かのために役に立ちたいという意欲、言い換えれば志があります。松下幸之助さんや稲盛和夫さんといった偉大な経営者は、こちらの欲が普通の人とは比べものにならないほど強かった。だからあれほどの成功をおさめることができたのです。私利私欲から一つ上のレベルの志まで引き上げられるかどうかで、成功の大きさとそれを持続できるかどうかが決まります」

それでも自分の都合を優先したり、楽をしたいという気持ちが勝ちそうなときは、「串団子になった自分を想像してみる」ことを小宮さんは勧めます。1つめの団子は、自分。2つめの団子は、家族や友人。3つめの団子は、会社などの組織。4つめの団子は、社会や世界です。

「4つの団子全部の真ん中を貫くように心がける、ということを、藤本幸邦老師から教わりました」
自己犠牲は長続きしないし、家族や友人をないがしろにして良い仕事を続けられるわけもない。そのうえで組織の中で役に立ち、それが社会に貢献することになる。どこにも矛盾がなく、まっすぐに貫かれているのが理想です。

「そうすれば自分自身も他人も裏切ることなく生きることができます。では、どうすればその理想の生き方に近づけるのかと言えば、ビジネスパーソンであれば仕事を好きになって良い仕事を一生懸命やることです」

まずは今の仕事に一歩踏み込んで、目の前のお客さまや一緒に働く仲間に喜んでもらう。その先に社会貢献も成功も待っていると思えば、今日という日の過ごし方が少し変わってきそうです。

次回は、寄付講座「営業学」レポートをお送りします。ぜひご覧ください。

【指南638 論語に学ぶ5】

(写真)小宮さんの著書の一部です。(書影は、著者・出版社の許諾を得て掲載しています)