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【指南561 「営業学」講座へようこそ 「マインド教育の重要性」】

2016年10月3日

姿勢や態度の良し悪しが決定的である

さて、藤本さんは「本学の寄付講義において、ゲスト講師の方々が語る講義内容の約半数が、営業に不可欠な姿勢や態度などのマインドでした。どれだけ豊富な知識や優れたテクニカルなスキルを習得したとしても、セールスパーソンとしてのマインドが修得できなければ、優れたパフォーマンスを発揮することはできません。私のリクルート時代に見てきたトップセールスパーソンも、頭の良し悪しではなく、姿勢や態度の良し悪しが決定的な要因でした」と語ります。

その上で、そんなマインドを醸成することが教育においても重要だと語ります。

「セールス活動の具体的なシーンを思い浮かべながら、これらの行動に不可欠な学習の要素を①『宣言的知識(言語情報)』、②『手続的知識(知的スキル)』、③『価値観・態度(マインド)』という3つのカテゴリーに分けて具体的な学習成分に落とし込みます。なぜならば、これらのカテゴリーごとに学習や教育の方法が異なるからです。

商品やサービスなどの宣言的知識を習得するためには、集合研修やインフォーマルな職場勉強会、書籍などで学習することが効率的です。職場の先輩や上司が、この次元の学習要素をOJTで個別指導する暇などありません。また、コミュニケーションなどの手続的知識(知的スキル)は、繰り返し実践的な練習を積み重ねることが不可欠ですから、本来のOJTの中核的な学習要素になります。そして、価値観・態度(マインド)は、その仕事に求められる特有の姿勢や態度ですから、模範的な上司や先輩の行動観察、その仕事にまつわる逸話・エピソードや武勇伝の語り、本人の行動をフィードバックして気づかせたりすることが効果的です。

実は、これらの学習成分のカテゴリーの中で、最もパフォーマンスに関係し、最も習得に長い時間を必要とする要素は、その仕事に特有の価値観や態度というマインドです。一般的に学習すべき要素は知識やスキルというイメージがありますが、こうした姿勢や態度も学習すべき重要な要素であり、的確に言語化して『見える化』することが肝要です。

先程の営業プロセスの事例を基にして、この営業に不可欠な学習成分を列挙すると、以下のような表に整理できます。私の経験からすると、ここで最も大切な学習成分は、徹底的な顧客志向と営業目標達成に対する強い執着心という姿勢や態度です」

次回更新は、「教育の方法」です。ぜひご覧ください!

【指南561 「営業学」講座へようこそ 「マインド教育の重要性」】

※図表作成: 東北大学大学院経済学研究科 藤本雅彦教授