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【指南554 営業は聞く力】

2016年9月7日

「ヒアリング力+感受性」で全国1位の営業マンに

もっとお客様の方を向いて仕事をしたかった・・・心の葛藤の末、銀行を辞めた島原さん。「私の性格を一番知っている母親は、『お人好しでバカ正直なあなたに、人に何かを勧める仕事は向いていない』とずっと言っていました」

島原さんが次に選んだのは信用調査会社。「仕事内容は企業の調査取材、財務分析・・・とあったので、営業しなくてすむと思ったのです。しかし蓋を開けてみたら、収集した企業情報や出版物、データベースを法人相手に販売しないといけない。もうやるしかないと覚悟が決まりました」
その時27歳。島原さんは、「恥ずかしながら営業のノウハウを何も持っていなかった」と語ります。

「子供の頃、父親がいないことや貧乏なことで変な目で見られていないかなぁ・・・自分は人にどう見られているのだろうと、いつも引け目を感じていました。人と接する時に、まず相手がどんな人なのか、今どう思っているのか自然に考えるようになっていたのです。そんな中で感受性が磨かれたと思います」
「相手は親の歳ほども年齢が離れた経営者で、人生の大先輩。まずはお時間をいただいたことに感謝し、背伸びすることなく色々なことを教わろうと考えました。会社への想いや様々なご苦労、自慢できることやご趣味に至るまで・・・・真剣にお聞きしました。
『社長という立場上、今まで何百人の人と会ってきたけど、初対面の人にここまで腹を割って話したのは初めてだ』とおっしゃっていただけるようになるに従い、信じられないことが起こったのです・・・」
「入社年、同期100人中で営業成績1位。翌年には会社全体1000人中でも1位。そこから退職するまでの7年間、営業トップグループに入り続けることが出来たのです」
あれだけ営業嫌いだったのに、押し付けの全くない、ヒアリング力をベースとした営業スタイルが開花したのです。

島原さんは語ります。
「大事なのは最初の質問ではなく、2つ目3つ目の質問です。深掘りができ、お客さまとの距離が一気に縮まります。うちの会社では(『お客様と営業担当者の間の3フィート=90cmが大事』という意で)『ファイナル3フィート』という言葉がよく使われますが、私の感覚的にはもっと近くです(笑)」
「多くの人の場合、おそらく本質に辿りつくまでに終わってしまっているのです。質問が尋問になったり、先方がもっと話したいと思っているのに話を終えたりしてしまう・・・
相手の方に興味と関心を持ち、その上で価値観を理解することをゴールにするのです。話したいところをぐっと我慢して、話すことと聞くことの比率を逆転することで色々なことが見えてきます」
「又、何でも話していただくには、相応の安心感や信用もないといけないですよね。安心感は人格を磨くことによって備わるし、信用はきちんとしたマナーや気遣い、知識や情報によって高められます」
「実は質問にお答えいただいている方は、頭の中を整理できたり、本当の価値観に気づくことができたりもするのです。例えば、心の中にあって言葉に出来ていなかった奥様への愛情やご主人が元気で仕事をしてくれることへの感謝・・・人生や会社経営の課題が見つかったり、更なるモチベーションアップに繋がったりすれば、私にとってこれ以上嬉しいことはないのです」
「私はいつでも、感受性と聞く力MAXで、お客様に貢献したいと思っているのです」

次回更新は、島原さんがリベンジを遂げた背景–「自らの経験から生まれる唯一無二の責任感」です。ぜひご覧ください。

 

【指南554 営業は聞く力】

(写真)営業所の仲間たちと