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【指南544「営業学」講座より③ 正しい挨拶の仕方】

2016年8月8日

心を打つ挨拶の仕方とは?

先週今週は、大学における寄付講座「営業学」から、伊東三六さんによる「セールスプロセス ~アプローチ~」の講義内容をダイジェストで紹介しています。

さて、正しいお辞儀の角度は何度だか知っていますか?」
会釈は15度、敬礼は30度、最敬礼なら45度。そんな風に新入社員研修で教わった方も多いのではないでしょうか。
そう、正しいお辞儀の角度は、その時々のシチュエーションや相手との関係によって変わってきます。

それでは、やっとの思いで面会の約束を取り付けた相手と初めて会う場合は、一体どんなお辞儀が正解なのでしょうか? 伊東さんは言います。
「相手の方はきっと、面倒くさいけど約束しちゃったからなぁ、と思いながらその場に足を運んでくれているはずです。乗り気でないのに、忙しいなかわざわざ時間を割いて来てくれ方に対して、礼を尽くすのは当然のことです」

「礼を尽くす」を辞書的に説明するなら、「相手に対する敬意や感謝の気持ちを、礼儀や作法をもって伝え切ること」となりますが、そのカギは文字通り「礼」にあると伊東さんは言います。
武士はその昔、腰に差した刀を抜けなくなる角度まで体を折って礼をしたそうです。そこまで体を折ると目に入るのは地面だけで、相手の動きは見えません。万が一、相手がやおら切りかかってきても、とっさに腰の刀を抜くことはできない、とても無防備な状態です。敵対心がなく、相手に心を許していることを証明するのに、これほどふさわしい挨拶はないでしょう。

百聞は一見にしかずと、伊東さんが慶応義塾大学の学生さんに披露した手本が写真です。
頭の先から足の先まで神経の行き届いた最敬礼で、ピンと伸びた背筋やきちんと揃えられた脚に目を奪われます。
「頭を下げたら、そこからゆっくり3秒数えます。先に頭を上げた相手に、自分の挨拶をみてもらえるでしょう」。相手もお辞儀をしていて、せっかくの心を込めた礼をみてもらえなければ、確かに意味がありません。

もうひとつ、初対面のビジネスマナーで外せないのが名刺交換です。これも諸説ありますが、相手より下に名刺を差し出して敬意を表すというのは、広く知られていますね。伊東さんによれば、なかにはこちらよりもさらに下から出そうとする意地悪なお客さまもいるそうです。
「こちらが知っていてそうしているのか、ただの偶然なのかを試しているのだと思います。そんなときはさらに下から出すと、納得していただけるようです」

今回はお辞儀や名刺交換といった基本的なテーマになりましたが、社会的に地位のある人ほど、こうした一見些細なことをよく見ているし、気にするのも事実です。

大きな仕事を成し遂げたいと願う人ほど、普通のことを普通にできることが大事。わざわざマイナスの第一印象から始める必要はないという伊東さんの話に、学生たちも深くうなずいていました。

次回は「アイドリングトークの秘法」です。

【指南544「営業学」講座より③ 正しい挨拶の仕方】

(写真)お辞儀の仕方、名刺の渡し方を示す伊東さん。