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【指南538 三十六計逃げるにしかず】

2016年7月25日

最高レベルの怒りには「逃げるが上策」

先週今週は、「アンガーマネジメント」について、安藤さんに指南いただいています。さて、体がぶるぶる震えるほどの強い怒りにも効くテクニックはありますか?こう聞かれたときに安藤さんが勧めるのが、「その場から逃げる」手です。

たとえば営業先で、
「営業なんて仕事、よくやるね」
「せっかく一流大学を出たのに、ご両親もがっかりしているんじゃない?」などと、的外れな暴言を浴びせられたとします。
仕事の内容のことならともかく、人格を貶められたり、家族まで引き合いに出されてはいくらお客さまでも許せない! しごく当然の怒りです。

こんなケースでは、前回お伝えした魔法の言葉や暗算で気をそらすテクニックは通用しないかもしれません。怒りが強すぎるとその対象から気をそらすこと自体が難しいうえ、ワンクッション入れても相手が同じ調子で続ければ、怒りは拡大再生産されてしまうからです。

そんなときには、「逃げるが上策」と安藤さん。「体中が怒りの炎で真っ赤に燃えるほどのレベルに達したら、怒りの感情に点火した対象から、とにかくいったん離れましょう」

そうは言っても、お客さまとの面談を突然終わらせて退席するなんて、非常識なのでは? そんな疑問に対して安藤さんは、次のように答えます。

・ カーッとなっている状態で、まともな話し合いなどできるわけがない
・ 怒りが爆発して言い合いになれば、相手との間に修復不可能な大きな溝ができるおそれもある
・ それよりは時間をおいて、クールダウンできたところでもう一度向き合い、言うべきことは言うほうがよほど建設的

ただしその場合、試合終了ではなく“タイムアウト”であることを、相手にきちんと伝える必要があります。

「申し訳ありません。このまま続けても、私自身が冷静に話ができそうにないので、少し頭を冷やす時間をいただけませんでしょうか」
「もしよろしければ、続きは後日にさせてください」
こう言って、一時中断してくれるように頼みます。

ここでのポイントとして安藤さんが挙げるのが次の2点です。
「1つは、タイムアウト時間、つまり続きを始めるまでのおおよその時間を示すこと。もう1つは、相手のせいにせず、自分が冷静さを欠いているというスタンスで中断をお願いすることです」
これなら無責任な敵前逃亡と思われる心配もありません。

初めてのお客さまが相手の場合、タイムアウトの後に「次」や「後日」の機会を得るのは難しいかもしれません。一方で、すでに付き合いのあるお客さまとの間に行き違いが生じたケースなどでは、こうした率直さが信頼を深めるきっかけになることもあるのではないでしょうか。

【指南538 三十六計逃げるにしかず】