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【指南424 大胆なクロージングプロセス】

2015年9月9日

すんなりクロージング大作戦???

セールスパーソンに苦手なことを尋ねると、かならず上位に挙がるのが「クロージング」のプロセスです。「急に売る気を出すとお客さまとの関係性が壊れるのでは?」とおびえてしまうのは、かつての長谷川さんも例外ではありませんでした。そんな苦手意識を乗り越えるために実践したのは、シンプルかつ大胆な作戦だったそうです。

「どんなお客さまの場合でも、営業ツールと一緒に必ず契約書をテーブルの上に出してしまう、という作戦です。商談が最終段階に入ってくると、『そろそろ契約書を出そうかな』と心の中でタイミングを図り始めます。すると、お客さまに対してその瞬間瞬間に伝えるべきことに集中できなくなってしまうんです。当然、そんな様子はお客さまにも伝わってしまい、不信感を与えかねません。ですから、クロージングに入った際には、さりげなく他の資料と一緒に、お客さまの視界に入るように出しておくようにするのです。コツとしては、堂々と真ん中に出すのではなく、脇にズラして少しだけ見える位置にします。サインを促す素振りはいっさい見せないことがポイントです」

この作戦には、セールスパーソン本人にとっての苦手意識を解消させるだけでなく、お客さまの反応が理解しやすくなるという、もう一つの効果があるという長谷川さん。興味がないのに追い返すのも気が引けるからと話を聞いてくださる方や、義理や冷やかし気味の方であることが察しやすくなったそうです。反対に、その気のある方はより真剣に話を聞いたり質問してくるようになります。

「注意したいのは、クロージングの際についつい口にしてしまう『絶対の自信がありますからお任せください』というセリフです。商品やサービスの具体的なメリットや比較検証などを伝えたものの、お客さまが最終決断を迷っているとき発するケースが多いと思います。決め手が感じられていないために迷っているというのに、抽象的で感情的な言葉で一押ししてしまっては、お客さまのその気を一気に下げてしまう危険が大きい。なぜかというと、セールスパーソンの視点に立った思い込みで、お客さま視点に立ったセリフではないからです。ですから、お客さまにとってどんなメリットがあるのか……という〈自信の根拠になる事柄〉を伝えるようにしましょう。たとえば、『大丈夫です』ではなく、『5年間の保証付きでさらに無償交換制度もあります』『こういうケースでは実際にこんなサービスも提供させていただいております』と具体的な言葉を使うようにする。そう心掛ければ、クロージング場面でのお客さまの迷いは信頼へと変わり、決断しやすくなるはずです」

【指南424 大胆なクロージングプロセス】

(写真)カバンは機能性重視で、プライベートとビジネスの二つに分けられるものを使っている長谷川さん。クロージングについて、こんなことも語ります。「背中を押すのは営業側ですが、契約するかどうかはお客様が決めるもの。『松竹梅コースを示しておきながら、梅コースの説明から始める』のも、『支払いが大変そうだから安いコースを提示する』のも、とても失礼です。『自分が売りやすいから』という提案には罪悪感が残ってしまい、セールスパーソンとして長続きしません。お客さまに主体を置くようにすると、劇的にセールストークが変わって説得力も増します」