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【指南376】

2015年3月27日

ダムに貯まった水はいつ流れるか???

予材管理をする上で大切なのは、お客さま候補および既存客において、今後新たな取引に発展すると見込める〈白地〉を見極めること。それも、短期ではなく、中長期にわたってのポテンシャル分析が必要だと横山さんは言います。

 

「たとえば個人保険のお客さまから、『いまは必要ない。二人目の子供ができたら考えるよ』と言われたとしますね。すると『あ、今期はないな』となる。今期の〈白地〉からは、外さないとなりません。でも、そのお客さまにはポテンシャルがあります。ですから、いずれアプローチする先として見込んでおきます。つまり、新陳代謝が必要なんです。これは約10年やっていてようやく最近分かったことなんですけど、予材は〈非連続〉なんですよ。これが分からない人が多いです。目先の数字をつくりたいがために、その時点では見込み客から外すべきお客さまを、追いかけて動き続けてしまうという人がいます。そんなのダメですって、自己都合ですから」

 

将来にわたっての、予材のポテンシャルを分析したデータベースは、いわばダムだと横山さんは続けます。

 

「このダムにいかに予材資産を貯めておくのか、干上がらないように常にメンテナンスしていかねばなりません。水が足りなくなったらすぐに補給するというのではなくて、常にこれは習慣化させておくんですよ。雨が降って山から水が流れてくると、一旦ダムにせき止められるわけですが、昨日降った雨が今日流れていくこともあるんです。『いや、じつはすぐ考えたいんです』って言われて『ああ、そうなんだ、ラッキー』というタイミングがありますよね。もちろん一方では、『いやじつはね』と二年三年経ってからいきなりニーズが発生するケースもあります」

 

では、ダムが干上がらないため具体的になにをすればいいのか。「私のことを忘れないでくださいね」という意味でのコンタクトを常に取るという、〈表面コミュニケーション〉の〈単純接触〉を繰り返すことだと横山さんは挙げます。

 

「これをするのを皆さん、嫌がるんですよね、すぐに結果が欲しいからです。でも、数字が足らないために『どこにお客さんがいるんだ』とゼロから探し回っていると、もう疲れてしょうがない。続かないです。ですから、ポテンシャルのあるお客さまに対して、たとえばメルマガやチラシやレターといったツールを組み合わせるのもいいですけど、やっぱり自分で足を運んで、顔を見せないとダメ。なんども会うことで、お客さまの〈ワーキングメモリー〉の中に自分を常駐させるんです。パンフレットを郵送するだけでは〈外付けのハードディスク〉のように、なにかあったときに思い出してもらえませんから」

【指南376】

(写真)お客さまとのコミュニケーションには、「ペーシング」「ティーチング」「リーディング」という3つのプロセスがあります。「ペーシング」は、相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせること。「ティーチング」は、相手に具体的な指示や助言をして気づきを与えること。「リーディング」は、行動や思考の変化を促すように相手を導くこと。この順に、お客さまとの関係性を築き上げていくことが大切だと横山さんは著書にも記しています。