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【指南317】

2014年9月24日

矢印を自分に向ける???

前回は「トップセールスたちが踏んでいる3つのステップ」について指南くださった太田さん。今回は逆に、セールスに伸び悩んでいる人たちの共通点を尋ねてみました。

 

「まさに駆け出し時代の私に集約されていると思います(笑)。朝礼で同僚たちがものすごい数字を報告してきたり、受注があったら『おめでとう』っていう垂れ幕が付けられたり。そういう環境の中で、私は垂れ幕もなくてすっからかん、壁の売上グラフも真っ白、この子はダメ営業だなって一目瞭然なんですよ。そのとき私はこう思ってたんです。『売れてる人はいいよね、行くところがあるじゃん。その人がマーケットを確保しているから、もう私には行くところがないよ』とか。『いいよね、みんな独身だから。私は子供がいるから、時間制限されてるのよ』とか。誰か他人のせい、外部環境のせいばかりにしてました。他人に矢印を向けると、ラクなんですよね。でも、それってよく考えると、自分では変えられないものなんですよね」

 

いまある環境でいかに自分の才能を奮い立たせて、いかに自分を最大化していく努力ができるか。自分に矢印を向けると、まだまだやれることはたくさんあると太田さんは言います。

 

「たとえば〈人間力〉〈情報力〉〈専門力〉という3つのステップも、どこか途中で諦めてしまう人がいると思うんですよね。土台となる〈人間力〉も、とにかくホスピタリティをやろうとか、一部だけで終わっている。ブレない精神を持つとか、セルフマネジメントができなければ全く不充分なんです。だから、意識の矢印がどれだけ自分に向けられるかで、全て変わってくると思うんです」

 

矢印が外に向いてしまっている典型例が、売れないことを商品のせいにするケース。太田さんはコンサルとしての独立後にこんな相談を受けたそうです。「ウチの会社はネジを売ってるので好きになれません。食品とか誰もが知ってるような商品の営業マンが羨ましいです」と。

 

「私はこう尋ねました。『その商品が面白くないっていうのは誰が決めたんですか』と。『あなたが決めましたよね。それでも必要としてるお客さまが中にいるから経営は成り立っているのですよね。一度、必要としてくれてるお客さまのところに話を伺いに行ったらどうでしょう』と。その方は、部品メーカーから自動車メーカーまで取引先を辿り辿って、話を聞いてきたそうです。『たった一つのネジが、これだけ多くの人を巻き込んで、こんなにも支えていただなんて知りませんでした。もう私やりたくてしょうがないです。まだまだやれることがいろいろあります』と、嬉しいご連絡をいただきました。だから、好きになれないからモチベーションが上がらないという話も聞きますけど、商品のせいにしてはダメですよね。自分自身に矢印を向けると、まだ手をつけていないことがたくさん見えてくるはずなんです」

【指南317】

(写真)もがき苦しんでいた20代前半の太田さん。リクルートの当時の上司からは、「あなたにはお金もない、仕事もない、女性で、子供がいる……という四重苦だから、そう簡単に投げ出さないだろう」と思って採用したと、のちに明かされたそうです。