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【指南245】

2014年2月12日

やるからにはトップを目指していますか?

大きな夢を描くベンチャー企業の社長たちに対して、「少しでもお役に立ちたい」「自分にはなにができるだろう」と考えていた森本さん。社長室にこもることなく奔走する社長たちを見ながら、子供の頃のことを思い出していました。

 

「うちの父は、私が小学校5年生の時に脱サラをして、起業をしたんです。BtoC、BtoB、両方相手にしたようなインテリア関係の仕事でした。中小企業ですから、自らも営業マンとして動き回っていたんですね。そんな父の手伝いをするために、私はクルマに一緒に乗ってよくついて行っていました。滋賀県でしたから、近江商人じゃないですけど、商売の話なんかもよくしてくれたんです。私の記憶に残っているのは『もしお前が将来、こうやって営業に行くようになったら、どんな商品だろうとサービスであろうと、そこに付加価値を載せて買ってもらえるような商売人を目指せ』と。よく“鍋蓋(なべぶた)”の話をしてくれました。鍋蓋はそれだけでは価値がない。安くしても売れない。相手のニーズを聞いた上で、どんなふうに使うと便利だとか、こんな使い方もある……と、売り込むのではなく課題解決することを大事にできる商売人を目指せという話です。鍋がないから意味がないということではなく、蓋だけでもちゃんと価値があるんだと。いろんな角度から価値を見出して、相手に伝えられるような営業になりなさい、といったことを言われましたね」

 

就職活動で約200社を訪問した末に、森本さんがリクルートキャリアを選んだのは、やはり父親の影響でした。経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、「ヒト」で苦労していた父親の背中を見て育ったこともあり、「ヒト」という面で企業をサポートする仕事をしたいと考えたのです。

 

「子供の頃、母親からはこんなこともよく言われました。『1番になれ』って。小学校に行くときにも『いってきます』『1番を目指して頑張れ』というメッセージを毎日送ってくれました。あるとき『どうして1番じゃなきゃダメなの?』と訊いたら、『日本で1番高い山は知ってるかい?』と訊かれて『富士山』って答えたんですね。『じゃあ2番目に高い山は?』って訊かれて答えられなかったんですよね。1番でないと人の記憶に残らない、影響力でさえも発揮できない。1番である価値、ブランド、というのは2番とは明らかなる差がある。『1番になったら見える世界がある』かつ、『そこで出会える人がいる』と、ひたすらインプットされていましたねぇ」

 

かくして森本さんは入社式で宣言します。「私はダントツの1番を目指します」と。

 

「みんなが面白がって『おー』とか『ワー』とか私を冷やかしたんです。でも私は本気だったんです。『本気でやろう!』と思って、がむしゃらに邁進しましたね。当時、携帯電話のない時代でしたから、電話ボックスで汗だくになりながら延々とテレアポをしていたら、職務質問を受けたなんてこともありました、ははははは。1年目で営業成績1位になりましたけど、『たまたまご縁に恵まれただけで、こんなのはマグレだ』と言われるのは悔しかったので、気を抜かずに取り組んだら、次の年もまた次の年も1位になりました。でも、1位が取りたかっただけではありません。共働きの母の姿も見ていたので、将来の出産や子育てによる休職や復職を見据えての実績づくりも狙いでした。20代のうちに突き抜けた圧倒的な実績や存在価値を築いておけば、いわゆる“信頼預金残高”が増えると思ったのです。目指すは『森本がいないと困る』という状態。世の中に求められ必要とされる人でいる。究極は自分で生き方を選択できる。仕事選択の主導権を取るということです。『お前がいないと困るから、やりたいようにやって』と社会から必要とされる人になっていれば、働く場所や働き方は自分で選べると考えました。『会社にいなくては困る』という存在に、なんとしてもなっておきたいと思ったんです」

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