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【指南243】

2014年2月7日

足で情報を拾い集めていますか? 

社会人2年目にして、「社長アポイントにこだわる」「根本的な課題を顕在化させる」という自分の型をつくった森本さん。とはいえ、社長から直接話が聴き出せたとしても、会社の課題を社長がすべて把握できているとは限りません。そのことに気付いたのは、ある社長からの、何気ない提案がきっかけでした。「ウチの会社のことをよく分かってないのに、人材を提案するなんてできないでしょ。まずお店に行って仕事を手伝って来てくれないかな。エプロンだけ持ってきてね」。のちに急成長する古本チェーンでした。

 

「週末の朝8時頃に言われたとおり現場のお店に着いたら、『あ、今日のアルバイトさん?』と店長さんから言われ、『はい、そうです』と、ははははは。現場の仕事を一日体験しました。そうするとやっぱり、よーく見えるんですよ。『ここのキーパーソンはじつは、店長じゃなくてパートのおばちゃんの誰々さん』とかですね。バリューチェーンというか、ビジネスモデルの一連の流れや、店舗の中でなにが肝なのかとか、発見がたくさんあって、『現場はホント、大事だなぁ』と気付いたんですね。それ以来、たとえば営業会社の場合は、営業マンに同行しながら『どういうところが課題だと思います?』と現場の声を聞き出したりもしました。そうやって見たこと聞いたこと感じたことを社長にレポートするんです。社長が現場に行くと皆さんピシッとして普段の姿を見せないので、現場のリアルな実態を知った社長たちから、とても感謝していただけましたね」

 

本気で相手のことを知りたい!という森本さんの思いは、どんどん膨らんでいきます。次第に朝礼や納会、飲み会、慰安旅行にまで参加するようになったそうです。

 

「単純に本音が出やすい場ということですよね。でも、こちらが気負って構えていたら、心を開いてもらえないじゃないですか。相手を無防備な状態にするには、まずこちらがオープンにならないといけません。だから、私はいまでも忘年会のお誘いなども多いのですけど、なにか一芸は用意していきますよね、ははは。事前に会のコンセプトを聞いた上で、バニーガール姿で参加したこともあります。ははははは。『あの部長は絶対に本音は話さないよ』なんて言われると、余計に闘志が燃えてくるんですよ。『腕が鳴る』といいますか、ははははは。どうしたらこの部長を、白い歯をキラッと見せた笑顔にできるかなって」

その一方で、取引先の経営会議に出席させてもらい、自分なりに感じた問題点をレポートにまとめて社長に報告したこともあるという森本さん。人材紹介をする中で、部門間のセクショナリズムに問題があると感じ、「経営会議なら各部長の関係性やチカラ関係がよく見えるだろう」と考えたからです。森本さんがここまでして会社のことを多面的に知ろうとするのには理由があります。

 

「私たちにとって一番残念なのは、紹介した人が途中で辞めてしまうことです。その方にとってもクライアントの企業にとってもハッピーではないので、そうならないようにするにはどうしたらいいのだろうと考えると、やっぱり全てを理解しておかないとダメだなって思うんです。最初はやっぱり、その会社の魅力をダーッと引き出そう引き出そうとしてですね、そこを伝えて応募喚起することにフォーカスしていました。それも大事なんですけども、まずは、やっぱりなにが本質的な課題なのかを顕在化させて、それを解決するためにはどんな人が必要なのかという順序で考えることが大事だと気付いたのです。逆に言うと、候補者の方にもその課題を率直に伝えて、その課題を理解したうえで『オレだったらこんなふうにして会社を変えていきたい』『私はこんなふうに貢献できる』と思える人を紹介しないと意味がないんじゃないかなと考えているんです」

【指南243】